整形外科
 
							脊椎・脊髄
低侵襲脊椎内視鏡手術
脊椎脊髄の手術方法は従来の切開して行う手術、顕微鏡を用いての手術などありますが、当院ではできるだけ内視鏡を用いて手術を行なっております。
内視鏡のメリットは
- 傷が小さい(16〜18mm)
- 背中の筋肉の損傷が少ない
- 術後の痛みが軽い
- 細菌感染の可能性が少ない
- 回復が早く、日常生活や仕事への復帰が早い
などがあり、従来の切開して行う方法に比べてとても体にかかる負担が少ない(低侵襲)方法です。
内視鏡手術はMETRx systemを用いて行なっており、内視鏡を用いる方法では最もスタンダードで手術実績も多い方法です。手術は病変に対してピンポイントで内視鏡を挿入し(図1)、モニターを見ながら手術を行います(図2)。


代表的な疾患である腰椎椎間板ヘルニアに対しては、
内視鏡下椎間板摘出術:MED(Micro Endoscopic Discectomy)と言われる方法(図3)
腰部脊柱管狭窄症に対しては、
内視鏡下椎弓切除術:MEL(Micro Endoscopic Laminectomy)(図4)と言われる方法で手術を行います。


腰椎すべり症、腰椎側弯症、腰椎不安定症といった背骨の固定が必要な手術に対しても内視鏡を用いて、内視鏡下腰椎椎体固定術:ME-PLIF (Micro Endoscopic-Posterior Lumber Interbody Fusion) ME-TLIF (Micro Endoscopic-Transforaminal Lumber Interbody Fusion)(図5)と言われる方法で行なっております。

また頚椎椎間板ヘルニア、頚髄症の一部に対しても内視鏡手術を行なっております。
当院には日本整形外科学会が認定した内視鏡技術認定医を、2014年に所得した医師が常勤として在籍し豊富な手術経験による高度な技術を提供しております。
腰椎椎間板ヘルニア
ヘルニアとは本来ある場所から飛び出たという意味で、腰椎椎間板ヘルニアとは腰の椎間板というクッションが飛び出た状態ということです。
この飛び出た椎間板が神経を圧迫して下肢(太ももから足のゆびにかけて)に痛みや痺れがでます。よく言われる坐骨神経痛です。腰の痛みはある場合とない場合があり、重要なのはこの下肢への放散する症状です。


痛みの強さは人によって様々で、薬を飲まずとも何とか生活出来るという人から痛みで動けず救急車を呼ぶ人までいらっしゃいます。また場合により、下肢の筋力低下や膀胱直腸障害(陰部の感覚が鈍くなり、排尿や排便が難しくなる)等の神経麻痺が生じることがあり、その場合は緊急での対応が必要なことがあります。
診断は診察とレントゲン、MRIといった画像検査で行います。
治療は飲み薬やリハビリ、ブロック注射、手術です。まずは手術以外の方法で治療します。症状が改善しない場合、下肢の筋力低下や膀胱直腸障害がある場合、痛みが強い場合、早く良くならないといけない場合などは手術を検討します。
手術をする時期は基本的には患者さんにお任せしていますが、痛みがかなり強い場合や緊急性が高い場合はこちらから手術を勧めさせて頂き、1週間以内に手術する場合もあります。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは腰の神経の通り道が狭くなる病気です。脊柱管というのは神経の通り道の名前です。神経の通り道が狭くなる一番大きな原因は、年齢による変化で黄色靱帯という靭帯が肥厚することです。


神経の通り道が狭くなると神経が圧迫され下肢へ放散する痛みやしびれが出ます。
また、間欠性跛行が出ることもあります。間欠性跛行とは一定の時間歩いていると足が重だるくなったり、痛みやしびれがでたりして歩けなくなってしまうことです。座ったり、休んでいるとまた歩けるようになります。足の裏が「何かを1枚挟んで歩いている感覚」「砂利を踏んでいる感覚」が出る場合があります。重篤な症状として下肢の筋力低下や膀胱直腸障害(陰部の感覚が鈍くなり、排尿や排便が難しくなる)等の神経麻痺が生じることがあります。
症状の強さは人によって様々で、薬を飲まずとも何とか生活出来るという人から痛みで動けず救急車を呼ぶ人までいらっしゃいます。
診断は診察とレントゲン、MRIといった画像検査で行います。
治療は飲み薬やリハビリ、ブロック注射、手術です。まずは手術以外の方法で治療します。症状が改善しない場合、下肢の筋力低下や膀胱直腸障害がある場合、痛みが強い場合、早く良くならないといけない場合などは手術を検討します。
頚椎椎間板ヘルニア
ヘルニアとは本来ある場所から飛び出たという意味で、頚椎椎間板ヘルニアとは首の椎間板というクッションが飛び出た状態ということです。
この飛び出た椎間板が神経を圧迫して上肢(肩から指にかけて)に痛みや痺れがでます。
特に首を動かして上を向いたり、上を向きながら左右に首を動かすと痛みが強くなることが多いです。
診断は診察とレントゲン、MRIといった画像検査で行います。
治療は飲み薬やリハビリ、ブロック注射、手術です。まずは手術以外の方法で治療します。症状が改善しない場合、上肢の筋力低下がある場合、痛みが強い場合、早く良くならないといけない場合などは手術を検討します。
頚髄症
頚髄症とは首の神経の通り道が狭くなり、頚髄が圧迫される病気です。
神経の通り道が狭くなる一番頻度の高い原因は、頚椎が年齢と共に変形する頚椎症です。椎間板ヘルニア、頚椎の靭帯が骨化する後縦靭帯骨化症という病気も頚髄症を起こすことがあります。
症状は手指の痺れで始まり、徐々に細かい作業がしにくくなります。具体的には箸が使いにくい、字が書きにくい、小さいボタンがかけにくい等です。症状が進行すると歩行障害、排尿障害が起こります。
診断は診察とレントゲン、MRIといった画像検査で行います。
治療は飲み薬やリハビリ、ブロック注射、手術です。まずは手術以外の方法で治療します。症状が改善しない場合、症状が強い場合などは手術を検討します。
腰椎圧迫骨折
腰椎圧迫骨折とは腰の骨がつぶれる形で骨折してしまうことです。
転倒などにより腰に衝撃が加わって骨折をしてしまったり、骨粗鬆症により骨が脆くなっていると腰椎に大きな衝撃がかからなくても、日常生活の中での些細な動作によって骨折してしまったりすることがあります。
症状は強い腰の痛みです。多くは寝返りや起き上がりなどの動作時に強い痛みを生じます。
さらに骨折の進行によって、下肢の痛みやしびれなどの症状が出現することもあります。重篤な症状として、下肢の筋力低下や膀胱直腸障害(陰部の感覚が鈍くなり、排尿や排便が難しくなる)等の神経麻痺が生じることがあります。
診断は診察とレントゲン、MRIといった画像検査で行います。
治療は安静、コルセットなど装具療法、飲み薬やリハビリ、手術です。まずは手術以外の方法で治療しますが、高齢者は長期間ベッド上で安静を保持することによる筋力の低下や認知症の進行、せん妄などさまざまな合併症が引き起こされるリスクがあり、症状が強い場合などは手術を検討します。
手術は椎体形成術:BKP(Balloon Kyphoplasty)と言われる方法で行うことが多いです。
BKPは骨折してしまった背骨の中で風船を膨らませ、つぶれを直し、セメントを充填して骨を固定する方法です。
手術は全身麻酔で行い、傷は約5mm程度のものが2箇所のみです。
手術時間は通常30分程度です。
- 背中を約5mm程度2箇所切開し特殊な器具を挿入します
- 特殊な器具の風船を膨らませつぶれた骨を持ち上げてできるだけ良い形に戻します
- 風船で作ったスペースにセメントを重鎮します
- セメントが固まったら終了です



