頸や腰の手術は整形外科がするものと考えられている方が多いと思いますが、欧米では大部分の脳神経外科医が頸椎や腰椎の手術を日常的に最も多く行っています。日本でも脊椎・脊髄外科は脳神経外科学会の専門医試験の必修科目に入っています。したがって、脳神経外科専門医は少なくとも脊椎の病気を診られなければならないことになります。
脳神経外科医による脊椎脊髄手術の特徴は、何と言っても手術顕微鏡を用いた精度の高い手術を行っているという点です。手術顕微鏡の特性により、皮膚切開も顕微鏡を使用しない場合に比べて約半分の長さですみます。頸椎症に対する前方固定術や1椎間の腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の場合でしたら約3cmの皮膚切開で手術ができます。
手足のしびれ・痛み・脱力、ひどい腰痛や間欠性跛行(かんけつせいはこう。500m以内の連続歩行ができない、休むとまた歩けるようになるという状態)といった症状にお悩みの方は、是非、脳神経外科にご相談ください。
東京西徳洲会病院脳神経外科の脊髄手術では、手術の前日に入院していただき、手術当日の夕方から飲水可とし、翌日には普通に食事も歩行もでき、1週間から10日で退院できてすぐに職場・社会復帰が可能です。これは、決して宣伝のためにしているわけではなく、この「早期離床」ということが現在の外科医療においてしばしば問題になる、重大な合併症である深部静脈血栓症による肺塞栓症の予防のために最も必要なことであるからです。