IVRについて
IVRとは
IVRとはIVR(アイ・ヴイ・アール)インターベンショナル・ラジオロジー(Interventional Radiology)の略です。
一般的に「放射線診断技術の治療的応用」と訳されます。「血管内治療」、「血管内手術」、「低侵襲治療」、「画像支援治療」も同じような意味で使われています。エックス線透視や超音波像、CTを見ながら体内に細い管(カテーテルや針)を入れて病気を治す新しい治療法です。
IVRは全身麻酔を必要としないため、外科的手術と比べて身体にあたえる負担が少なく、病気の場所だけを正確に治療でき、入院期間も短縮できるなど優れた特徴を持っています。高齢者や状態の悪い進行ガンをふくめたガンの治療にも広く応用されています。
その他に緊急状態(大出血)からの救命や、血管などの閉塞あるいは動脈瘤に対する治療にも有効な治療方法です。
近年の画像診断装置の著しい発展普及に伴い進歩してきた分野で、癌の治療法では 外科手術、化学療法、放射線治療に次ぐ治療法となってきています。
IVRには以下のような種類があり、病気の種類や状態によって選択し、時には組み合わせて治療することもあります。
当院では、IVR専門医1名が常勤し、下記疾患に外科系医師らと協力しながら治療を進めています。平成20年度の実績は総数178件中、血管IVR149件の治療を施行しました。
IVRは血管と非血管の2つに分類されます。
1.血管(Vascular)IVR
- 動脈性出血の止血
- 動脈塞栓術(TAE):肝細胞がん、転移性脊椎腫瘍、喀血
- 経皮経肝静脈瘤塞栓術、硬化療法
- 血管収縮在の動注療法
- リザーバー留置術
- 経皮的血管拡張術(PTA)
- 血管内異物除去術
- ステント留置術
- ステントグラフト留置術
- 血栓溶解術
- TIPS
2.血管(Non-vascular)IVR:血管以外の胆道、消化器、気管などの狭窄、閉塞部位の治療
- 経皮経肝胆管ドレナージ、ステント留置術
- 膿瘍穿刺ドレナージ
- 経皮的腎瘻造設術
- 胃瘻・腸瘻造設術
- ラジオ波熱凝固術
- エタノール治療 PEIT