整形外科
 
							骨折
骨折とは、骨に外力が加わりヒビや欠け、場合によっては大きく折れるなど、骨が損傷する状態を指します。骨は神経や血管が豊富なため、骨折すると強い痛みや腫れが生じ、場合によっては動かしにくくなったり、外見に変形が見られることもあります。
一方で、打撲や関節の脱臼でも似たような症状が現れることがあるため、正確な診断にはX線(レントゲン)検査が欠かせません。必要に応じて、CTなどの精密検査を行う場合もあります。
骨折の原因と種類
骨折の原因は様々です。通常骨は軽微な外力では骨折せず大きな衝撃を受けた場合に骨折を起こします。
ただし、骨粗鬆症などで骨がもろくなると軽い衝撃でも折れてしまう「脆弱性骨折」が生じることがあります。また、スポーツや仕事などで同じ場所に繰り返し力がかかると「疲労骨折」になる場合もあります。
骨折には以下のような種類があります。
- 開放骨折:皮膚を突き破って骨が外に出ている状態。感染のリスクが高く、緊急手術が必要です。
- 粉砕骨折:骨が細かく砕けた状態で、治療には工夫が求められます。
- 不全骨折:骨にヒビが入っているが、ずれがないものです。
骨折の治療
骨は本来、自然に治る力を持っています。しかし、良好な治癒には条件が整うことが必要です。ズレを抑えて安定した状態を保つことで、骨の細胞が活発に働き、治癒が促進されます。治療法には大きく分けて次の2つがあります。
- 保存療法(ギプスなど):ズレが小さい骨折では、固定して自然治癒を促します。
- 手術療法(プレートやネジなどで固定):ズレが大きい場合や骨の安定が必要な場合に行われます。
当院の骨折治療の特徴
整形外科専門医による診療
経験豊富な整形外科専門医が、適切かつ最新の治療を提供します。
大腿骨近位部骨折には迅速対応
原則48時間以内に手術を実施し、合併症のリスクを低減しています。
帝京大学整形外科・外傷センターで研鑽を積んだ医師が担当
確かな知識と技術を備えた医師が治療にあたります。
充実したリハビリ体制
経験豊かなリハビリスタッフと豊富な設備により、術後もきめ細かくサポートし早期の社会復帰を目指します。
脆弱性骨折について
骨粗鬆症などにより骨が脆くなってしまうと軽微な外力で骨折してしまいます。
脆弱性骨折の代表的な場所が4箇所あり、腕の付け根の上腕骨近位部、手首の橈骨遠位部、腰の腰椎椎体、脚の付け根の大腿骨近位部です。

代表的な疾患
大腿骨近位部骨折
大腿骨頸部骨折では股関節部(脚の付け根)に痛みがあり、ほとんどの場合、立つことや歩くことができなくなります。この骨折は骨粗鬆症で骨がもろくなった高齢者に多発することで有名ですが、日本でも年間10数万人が受傷します。
より股関節に近い場所で折れる大腿骨頚部骨折と、やや外惻の大腿骨転子部骨折に分けられます。
骨折してしまうと非常に治りにくいのでほぼ全員手術が必要になります。たとえ元々歩いていなくても、痛みが続いてしまうため手術が望ましいです。
手術は大腿骨頚部骨折に対しては多くの場合、人工骨頭挿入術を行います。

年齢が若い場合は骨盤側の骨も金属に置換する人工股関節置換術を検討します(詳細は人工関節をご参照ください)。
一部の大腿骨転子部骨折に対しても人工骨頭挿入術を行なっております。
またズレの少ない大腿骨頚部骨折に対しては、スクリューやプレートなどを用いて骨折部を固定する手術を行なっております。多くの大腿骨転子部骨折は骨の中に金属の棒をいれスクリューで固定します。

多くの場合手術をすると早期離床、早期リハビリが可能です。術後3〜4週間で元々の生活に戻ることを目標とします。
上腕骨近位部骨折
ほとんどが転倒で発生します。
ズレが少ない場合は三角巾やバンドなどで保存的治療を行いますが、ズレが大きかったり骨折部が不安定な場合には手術を行います。手術は骨折部を良い位置に整えて金属のプレートとスクリュー、または金属の棒とスクリューで固定します
骨折部の粉砕が強い場合などは特殊な人工関節に置換する手術を行います(詳細は人工関節をご参照ください)。
脊椎椎体骨折(脊椎圧迫骨折)
詳細は脊椎・脊髄をご参照ください。
