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心臓血管外科

外来診療予定表

今月の外来診療予定表一覧

はじめに

昭島市にはこれまで心臓血管病の外科手術を行う施設はありませんでした。このたび病院創設3年目に心臓血管外科を開設し、開心術開始から3年目をむかえることとなりました。2011年からは心臓血管外科専門医認定機構認定修練施設となり、新しい設備、ゆとりのある病床で、これまでの経験を生かし質の高い医療を提供することで地域のニーズにこたえられる専門診療科となることを目標としています。

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担当医

須田 優司

須田 優司 心臓血管外科部長

経歴
  • 1990  信州大学医学部卒
  • 1990  東京侍史医大第二病院心臓血管外科
  • 1993  東京厚生年金病院 外科
  • 1996  関東逓信病院 心臓血管外科
  • 2004  東京女子医大第二病院(現東医療センター) 心臓血管外科講師
  • 2005  Baylor College of Medicine, Surgery
  • 2006  新東京病院 心臓血管外科
  • 2008  東京西徳洲会病院 心臓血管外科
資格
  • 心臓血管外科専門医
  • 日本胸部外科学会認定医/指導医
  • 日本外科学会認定医/専門医
  • 日本循環器学会認定医
  • 医学博士
竹内 靖夫

竹内 靖夫 徳洲会東京本部顧問

経歴
  • 1967 東京大学医学部卒
  • 1973 Cleveland Clinic  心臓血管外科レジデント
  • 1974 Hospital for Sick Children in Toronto 心臓血管外科レジデント
  • 1975  国立小児病院 心臓外科
  • 1975  東京女子医大第二病院心臓血管外科
  • 1979  同助教授
  • 1988  関東逓信病院 心臓血管外科部長
  • 1992  同副院長
  • 1998  東京女子医大第二病院心臓血管外科 教授
  • 2001  同副院長
  • 2007  徳洲会東京本部顧問
資格
  • 心臓血管外科専門医
  • 日本胸部外科学会認定医/指導医
  • 日本外科学会認定医
  • 日本循環器学会認定医
  • 医学博士
学会
  • 日本胸部外科学会名誉会員
  • 日本心臓血管外科学会国際会員
  • 日本冠疾患学会名誉会員
  • 日本人工臓器学会
  • 日本外科学会
  • アメリカ人工臓器学会
  • 日本脈管学会
  • 日本循環器学会
  • 日本ME 学会
  • 心臓ペーシング学会評議員
竹内 靖夫

矢野 隆 心臓血管外科医長

経歴
  • 1989  愛媛大学医学部卒業
資格
  • 胸部外科学会認定医
  • 日本循環器学会認定専門医
  • 日本外科学会認定医
  • 日本麻酔科標榜医

非常勤講師

  • 中野 清治(東京女子医大東医療センター心臓血管外科教授)
  • 新浪 博(埼玉医科大学国際医療センター心臓血管外科教授)
  • 末石 通暁(品川ハートメディカルクリニック院長)
  • 竹内 靖夫(西新井ハートクリニック病院院長)

心臓血管手術とインフォームドコンセント

現在のような心臓大血管手術は60年程の比較的新しい分野で、急速に進歩を遂げてきました。そして現在も日々進歩しています。しかし、患者さんあるいは御家族と話をしていると、心臓大血管の手術は非常に危険なもので恐ろしいというイメージをもたれている方がいらっしゃいます。心臓大血管の病気は命に関わる重大なものであり、手術治療も簡単なものではありません。しかし、想像やイメージでいたずらに怖がる必要もありません。まず御自分の病気がどのようなものなのか、そしてどのような治療が必要なのか、手術治療がどのようなもので手術を受けた場合のメリット、デメリット、受けなかった場合に予想されるメリット、デメリットを正しく理解していただくことが重要です。

インホームドコンセントについて

説明と同意といわれますが、医療側は提供する医療についての充分な説明を行い、医療を受ける側はその医療行為を充分理解して、その医療行為を受けるかどうかの判断を御自身で決定する。ということです。

心臓血管手術についても同様で、手術を受けるか否かは患者さん御本人あるいは御家族の判断により決定されます。現実的には限られた時間で専門的な病気の内容を理解し、その治療方法を正確に理解され治療を受けられることは容易なことではありません。私どもは経験のある医師が時間をかけて説明を行い、また不明な点を質問していただき十分な理解が得られた上で治療を選択していただくようにしています。このためのご相談は月、火、木、金の午前の外来にてお受けしています。

心臓血管外科で行う治療について

冠動脈バイパス手術

心臓が正しく働くために、心臓に血液を供給する血管が冠動脈です。冠動脈は大動脈の付け根の部分から右側と左側と2本でてさらに左側は前と後ろに向かう2本に分かれます(前下行枝、回旋枝)。動脈硬化等で冠動脈の内側が狭くなりそこから先への血液の供給が十分でなくなった状態が狭心症で、完全に閉塞してしまって全くその先に血液が行かなくなってしまいその部分の心臓の筋肉が死んでしまう(壊死)状態が心筋梗塞です。この血液の供給不足を解消するために新しく血液を供給する血管を作ってあげるのが冠動脈バイパス手術です。ちょうど土砂崩れで通れなくなった道のわきに迂回路(バイパス)をつくるというのと同じ発想です。この新しい通り道になる血管は、御自身の体の中にある内胸動脈(前胸部の裏側にある)、橈骨動脈橈(肘と手首の間にある)、右胃大網動脈(腹部で胃を栄養している)、大伏在静脈(下肢の内側の比較的浅いところにある)などで、これらを冠動脈に吻合し新しい血液の流れる道をつくります。

冠動脈は心臓の表面にあるので心臓を切り開く必要はありませんが、心臓は拍動(収縮、弛緩を繰り返し動いている)しているので従来、人工心肺という心臓の代わりをしてくれる装置を使って身体の血液循環を保っておいて、心臓を停止させた状態で手術を行っていました。最近では心臓を止めないで(心拍動下)吻合を行う(人工心肺というポンプを使用しないのでオフポンプともいわれる)バイパス術が普及し、われわれも多くの症例をこの方法で行っています。

弁膜症手術

心臓の中には、三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁という4つの弁(バルブ)があります。僧帽弁と大動脈弁は全身に血液を送り出す左室という部屋の入り口と出口の扉の役目をしています。この扉がうまく開かない状態が狭窄症で、うまく閉じない状態が閉鎖不全症です。たとえば大動脈弁狭窄症は大動脈への出口が狭くなっているために強い力で押して出さないと身体に血液を供給できません、逆に閉鎖不全症ならば一度身体に向かい大動脈に送り出された血液が逆流して左室に戻ってきてしまう状態になります。弁膜症の手術はこのような不都合を生じた弁を正しく機能するようにすることです。そのために自身の弁を加工することで機能を正常化させる弁形成術と、新しい弁(人工弁)に取りかえる弁置換術があります。さらに人工弁はウシやブタなどの動物の生体材料から作られた生体弁と、パイロライトカーボンなどの人工材料で作られた機械弁があります。それぞれに長所、短所があり患者さん毎に選択しています。また僧帽弁については可能な限り形成術を行う方針としています。

心房細動の外科治療

心臓は規則的な収縮と拡張運動を繰り返すことで血液を送り出しています。心臓が規則正しくバランスよく動くために指令をだす洞結節と呼ばれる司令塔が右房の中にあります。この洞結節からの電気的な命令が、電線の役目をする刺激伝道系という経路を伝わって心臓全体に伝わることで心筋が収縮し(拍動)血液が拍出されます。

ところが心房細動では心房のいろいろなところで電気的な興奮がおこり、このため心房は震えているような細かな収縮(細動)を起こしてしまいます。

心室に洞結節からの正しい指令ではなく、この心房のいろいろな興奮のうちのどれかが伝わることで心室の収縮が生じるため、1拍1拍の間隔が不規則となり、極端に速くなったり、遅くなったりすることがあるのが心房細動という不整脈です。他の心臓手術をする際に、心房細動が合併している場合には、心房細動の元になっているとされる部分や心房細動の興奮が心室へつながる経路となる部分を切断する手術(メイズ(Maze)手術)を行う方針としています。

また心房細動以外の不整脈でもペースメーカーが必要な場合には、心臓ペースメーカーの植え込み手術も行っております。

大動脈手術

急性大動脈解離(解離性大動脈瘤)

大動脈は心臓とつながって、ここから血管が分枝してからだの全ての臓器に血液を供給するための大通りです。大動脈の壁は何層かの層が重なって一つの壁になっていますが、大動脈解離はこの壁の層がはがれて間に血液が流れ裂ける状態です。このため分枝血管に血液が流れなくなり、臓器の血流障害が起こり脳梗塞、心筋梗塞、腸管壊死、腎不全などの致死的な合併症を生じたり、薄くなった大動脈が拡大し破裂や大動脈閉鎖不全症、心タンポナーデなどを生じることがあります。このような大動脈解離に対しては手術治療が必要となります。

大動脈瘤(真性瘤)

大動脈の正常径は胸部大動脈で2.5~3.0cm、腹部大動脈で1.5~2.0cmですが、これが拡大し2倍または胸部瘤では6cm、腹部瘤では5cmを超えると破裂の危険が高くなります。大動脈瘤破裂すると体内で大出血を起こし、命にかかわる事態となります。この場合緊急手術が行えたとしても救命が困難な場合があります。したがって大動脈瘤の治療は破裂する前に手術を行って破裂死亡を予防することにあります。しかしながら大動脈瘤があるだけでは多くの場合症状がないことが多く、検査中に偶然発見されることが多い疾患です。手術治療は大動脈瘤の部分を人工血管に取りかえる治療です。このとき部位によっては大動脈から分かれている血管も再建(つなぎなおす)することが必要になります。

末梢血管の手術

血行再建術

動脈硬化は全身の動脈と名のつく血管で起こりますが特に、下肢の血管が動脈硬化で内空が狭くなりあるいは閉塞してしまって血液不足が生じると(閉塞性動脈硬化症)、歩行時の下肢の痛み、痛みのため少し休むとまた歩けるようになる(間欠性跛行)症状が出現します。さらに循環が悪くなると安静時の疼痛や、足先が暗紫色になり、潰瘍ができたり、細胞が死んで(壊死)しまいます。手術は下肢の血流が保たれるように新しい血流の道を作ったり(バイパス)、狭いところを拡張(血管形成術)することで血流を増やすというものです。

その他の末梢血管手術

下肢静脈瘤 レーザー(自費)による日帰り手術も行っています。血栓除去、透析患者さんの内シャントの造設など。

診療実績

手術実績2009.3~2011.06

術式 件数 術式 件数
開心術 66 三尖弁疾患 2
冠動脈バイパス術(全例心拍動下冠動脈バイパス術) 38 大動脈基部  1
弁膜症
(複合弁手術)
27
(11)
メイズ 8
大動脈弁疾患 15 末梢血管(腹部大動脈瘤を含む) 82
僧帽弁疾患
(形成術)
(置換術)
13
(11)
(2)
   
総手術件数 164件
院内死亡 1
合併症 (脳梗塞) 1

その他

心臓について

心臓はおよそ握りこぶし1個ぐらいの大きさの臓器で、休むことなく動き続けています。一回心臓が収縮すると、送り出される血液量は70cc程で、1分間に70回収縮(脈拍が70)すると、約5リットルの血液を送り出しています。1日に心臓が収縮する回数は10万回前後で、この仕事を生きている限り休むことなく続けているのです。

冠動脈と虚血性心疾患

心臓が休むことなく働くために心臓の筋肉(心筋)に血液を供給する血管を冠動脈といいます。冠動脈は大動脈より左と右の2本がでて、さらに左冠動脈は直ぐに前下行枝と回旋枝と呼ばれる枝に分かれます。この3本からさらに枝分し、全体に血液を供給するようになっています。この冠動脈の血液の流れが悪くなったり、全く流れなくなってしまったりした状態が、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患です。

血液の流れと弁

心臓を通る血液の流れ(循環)は、全身からの血液は心臓の右房に戻ってきます。その後、右室→肺動脈→肺→肺静脈→左房→左室→大動脈→全身へと廻っていきます。この流れは一方通行で元に戻ることはありません。正しい流れを作るために心臓には4つの弁、三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁がついています。これらの弁がタイミングよく開いたり閉じたりすることで、正しい血液の流れが作られますが、何らかの原因で完全に開かなかったり、きちんと閉じなかったりするような状態になってしまうのが弁膜症です。

人工心肺法、(体外循環法)と心筋保護について

このように、心臓は絶え間なく動いており、その中には常に血液が流れています。手術のために、そのままの状態で心臓を切り開いたとしたら、元栓を締めないで水道管を切断するようなもので、血の海になってしまって何もできません。水道管ならば元栓を締めればよいだけですが、体には血液を循環させておかなければ生命を維持していくことができません。そこで手術の間だけ心臓の中を血液が通らなくして、心臓以外の体には血液を循環させる装置が考えられました。それが人工心肺です。これは文字通り、心臓の代わりに体に血液を送り出すポンプと、肺の代わりに血液が酸素を十分に含んだ状態にする人工肺からできていて、全身から心臓に戻ってくる血液を心臓に行かせずに(脱血)、この人工心肺に迂回させ、心臓からの血液の通り道である大動脈にもどすこと(送血)で、心臓の中にほとんど血液がない状態にすることができ、身体へは人工心肺によって血液の循環が保たれるようになります。

さて、これで問題の1つ、心臓の中が血液で充満している状態は回避できました。しかし、心臓に血液を供給している冠動脈に血液が流れているので心臓は動いたまま(空回りしている状態)です。だからといって冠動脈の血流を止めただけでは手術をしている間に心臓の筋肉が死んで(壊死)しまいます。そこで心筋保護液という特別な液体を冠動脈に流してあげることで、心筋の活動が停止し、代謝を著しく低くし、常時冠動脈に血流がなくても心筋が傷まないようにします。これは、動物がえさを食べなくても、動かず眠り続けることで生命を維持する冬眠を心筋にさせているようなものです。

実際には冠動脈と人工心肺から送られてくる血液の管(送血チューブ)の間の大動脈を専用の器具で挟んで血流を遮断(大動脈遮断)した後に心筋保護液を注入します。

このようにして心臓をとめて、中に血液がない状態で手術がおこなわれます。

効果と合併症

人工心肺法により開心術が行われるようになり、それまで治療することができず、心臓の力が弱ってしまい(心不全)日常の生活さえできなくなり、末期には呼吸することされできなくなり(呼吸不全)命にかかわるようになっていた疾患が治療できるようになり、生活の質(クオリティ オブ ライフ)が確保され、長生きできるようになりました。

一方で安全性も向上した現在でも、人の身体の中とは違う状況で血液を循環させることの影響もあります。

  1. 【血液が固まりにくい】
    人工心肺に血液を循環させるためには血管ではない人工の管(ホース)の中を血液が通ります。また人工肺も細かい繊維の間でガス交換をします。何もしなければ管の中で血液が固まってしまいます。そこでヘパリンという薬で血液を固まりにくくします。人工心肺から離脱すればヘパリンを中和しますが、血液が固まりにくい状態(出血しやすい)が続きます。
  2. 【心臓、血管の損傷】
    心臓や大血管に管を挿入したり、大動脈を挟んだり(大動脈遮断)したりすることで組織が壊れたり、壊れた破片が血流で流されて脳などの臓器の血管に詰まってしまう(塞栓症)ことがあります。
  3. 【冬眠からの回復】
    心臓を人為的に止めて(心筋保護法)治療を行った後、心臓の拍動を再開させるため、寝起きに活動性が悪いのと同じで、心臓も力の弱い期間が存在します。
  4. 【炎症と臓器障害】
    通常とは違った一定の血圧の流れが各臓器に影響したり、免疫成分が減少することや、炎症性物質が放出されることで、臓器の障害が生じたり、肺炎などの感染が生じやすくなったりします。

歩いていると胸が重くなったり苦しくなりませんか。前胸部から首や肩に広がる痛みがあることがありませんか。駅の階段や坂道で他の人に遅れをとりませんか。安静にしているのに胸がどきどきしませんか。お腹に拍動するしこりがありませんか。5分以上休まずに歩き続けられますか。このような症状があったらまず、外来を受診してみてください。

当院では、2台の64列マルチCTを始め心エコー等の生理検査も最新の機器により毎日行っており、何日も先の予約ではなく、迅速に対応しております。また手術の前後では、専門の理学療法士により術前の呼吸訓練や術後の心臓リハビリテーションを積極的に行い早期離床、早期退院を進めています。

ご紹介時の留意事項

地域医療連携について

東京西徳洲会病院
〒196-0003 東京都昭島市松原町3丁目1-1
TEL:042-500-4433(代) FAX:042-500-4434(代)

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