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脊椎センター

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病院を訪れる患者さんの中でも脊椎(頚椎,胸椎,腰椎)の疾患で悩んでいる患者さんは以前からたいへんな数でした。高齢化社会といわれてすでに長い 年月が経過しますが,高齢者が増加するとともに脊椎疾患の患者さんの数は増加しているようです。高齢者ばかりでなく、腰痛症・腰椎椎間板ヘルニア・腰椎分 離症などで悩んでいる若い人も大勢いるようです。どのような症状で病院を訪れたのかという調査をすると,内科的な症状の患者さんをすべて含めても“腰痛” が一番多いようです。

また“手足のしびれ”という症状も常に上位にあります。腰痛も手足のしびれも脊椎疾患を疑う症状です。

これほど患者さんが多いにも関わらず脊椎疾患の患者さんがどういう医療施設へ行って、どういう治療を受けたらよいのかということは知られていないのではないでしょうか?

実際には知られていないというよりは、いまだわかっていないという部分が多いと思われます。インターネットがたいへんに発達してキーワードを入れるとどんな情報でも得られるようになってきました。

しかし、“腰痛”とか“椎間板ヘルニア”というキーワードを入れてそのサイトを見ると、かえって患者さんは混乱してしまうのではないでしょ うか。“私が腰痛を治します”“私の施設へ来れば椎間板ヘルニアが治ります”というサイトであふれています。また、腰痛や椎間板ヘルニアを治すという本も たくさんあります。本当にそれらを信じてよいのでしょうか?もし本当にそのような治療が存在するとすれば、世の中で腰痛や椎間板ヘルニアで悩んでいる患者 さんはいないはずです。ということは,そのような“絶対によくなる”という治療はないと断言してよいのではないでしょうか。

脊椎疾患で悩んでいる患者さんは多い。しかし、決定的な治療方法はない。にもかかわらずインターネットや本にはすばらしい治療があると書いてある。たいへんに混乱した状況であります。患者さんはいったいなにを頼りにすればよいのでしょう。

このサイトでは、脊椎疾患の専門医が脊椎疾患に関して正直なこと、本当のことを記載していきます。このサイトを読んでいただいた患者さんが脊椎疾患に関しての正しい認識を得られ、よい医療機関にめぐり合い、少しでもよい方へ向かっていただくことがこのサイトの目的です。

脊椎センターからのお知らせ

2011.02.07  横田空軍病院との合同カンファレンス
2011.01.04  横田空軍病院との交流
2010.11.02  脊椎手術ビデオの紹介

よくある質問

手術でない方法でなんとか治したいのですが、いい方法はありますか?

手術でない方法で症状が改善するのであれば、その方がよいことは確かです。

手術でない治療を保存的治療といいますが、そのような治療として、鎮痛剤内服、筋弛緩剤内服、ブロック注射、牽引、マッサージ、温熱療 法、整体、カイロプラクティック、鍼灸など、数え切れないほどあります。これほど数の方法があるというということは確実な効果がある方法がないということ を意味しています。確実に効果がある方法があればその治療が主体となっているはずです。

また、これら数々の方法が今も続けられているということは、効果がある患者さんもいるということを意味していると思われます。しかし何の 治療を受けなくても自然に症状が軽減することはよくあることですので、これらの治療に本当の効果があって症状が軽減したのかを確かめることは難しいことで す。状況にもよりますが、症状があまりに強く出ていたり(麻痺症状など)、仕事もできないほどの症状であれば、手術治療を選択した方がよいと考えられま す。もし、脊椎の手術は危険なものであるという世の中のうわさによって手術を受けることが恐くて手術でない方法を求めているようであれば、一度脊椎疾患の 専門家に手術の説明を聞いたほうがよいと思います。

われわれは正確な説明をします。手術のメリット、デメリット、危険性などを客観的なデ-タに基づいて説明します。その説明を聞いて理解さ れた上で保存的治療を希望される場合はそれでよいと思います。手術に対する恐さにより手術治療を受けたくないと考えておられる患者さんは世の中のうわさで はなく正しい説明を受けてください。

整形外科でレントゲンでは異常はないといわれましたが、症状があるのはなぜですか?

レントゲンばかりではなく、CTやMRIなどの検査でも特別な異常がなく症状があることはよくあることです。逆にレントゲンやMRIで腰椎症、腰椎 すべり症、椎間板ヘルニアなどがあるのに症状がないこともよくあることです。これらの検査は身体の形態の一部を表しているだけです。身体の機能などを含め た身体全体を評価できるものではありません。

自分にはこんなに強い痛みがあるので、検査をすれば必ず悪いところが見つかるはずだと考えている患者さんが多いですが、痛みの原因を明確 にすることは現代医学でも難しいことがよくあります。痛みを客観的な形で表すことも不可能です。そのような状況において、患者さんの話を聞いたり、診察を したり、レントゲンなどの検査をしたりして診断を進めています。

レントゲンやMRIなどの画像検査ですべてがわかれば、われわれとしてもとても助かるのですが、現時点ではそのようなすばらしい検査はありません。

手術治療を行えば必ずよくなりますか?

医療は人間の身体をあつかう行為であります。人間の身体は大変に複雑に出来ていますし、身体だけではなく心、精神的な側面もあります。脊椎疾患は痛 みという症状の場合が多いですが、痛みは物質的な身体の不具合ばかりではなく精神的な不具合にも左右されます。そのような人間の身体に対して手術をして必 ずよくなるか?といわれると、Noとしか答えようがありません。

しかし、MRIなどの検査が大変に発達してきましたので、例えば20年ほど前と比べるとかなり確実な診断ができるようになっています。ま た、手術の技術も大変に発達してきましたので、手術治療の効果も何十年も前と比べるとかなり確実に得られるようになっていると考えられます。それでも必ず よくなるか?といわれると、100%でYesということはできません。

手術治療に年齢的な制限はありますか?

年齢的な制限はありません。しかし、手術治療をするのか、手術でない治療で様子を見るのかという判断や、手術治療の内容に関して年齢を考慮することはあります。

例えば腰部脊柱管狭窄症の患者さんがいて、50才の働き盛りで200mも連続して歩行できないということであれば手術治療を勧めると思います。しかし、おなじ腰部脊柱管狭窄症でも85才で200m連続して歩けないという場合は手術治療を勧めないかもしれません。

脊椎疾患では疼痛が大変に強いことがありますので、90才の患者さんであっても耐え難い痛みがあってそれほど大きな手術でなくとも対応できるようであれば手術治療を勧めます。実際に私が手術治療をして疼痛が軽減して感謝していただいた90才代の患者さんは何人もいます。

手術で後遺症が残ることはありませんか?

後遺症という言葉には意味が二通りあるように思います。一つ目は手術をしても症状が残るということ。二つ目は手術により別の症状が出現してその症状 がいつまでも治らないということです。一つ目の手術をしても改善しない症状についてですが、例えば椎間板ヘルニアなどにより神経がかなり障害されてしまっ ていればヘルニアを取っても症状がある程度残る可能性があると思います。手術によりヘルニアを取って神経への圧迫をなくすことは可能ですが、傷んでしまっ た神経を治すということではないからです。

となると、なるべく早く手術をした方がよいのかと考えたくなりますが、手術治療でなくとも症状が改善していく患者さんも多くいるものです から、椎間板ヘルニアの症状が出てすぐに手術をするという必要はないと思います。二つ目の手術により症状が悪化するということについてですが、そのような 可能性はないとは言えないと思います。脊椎の手術ではヘルニアとか異常な骨とか腫瘍などによって神経が圧迫されているので、それらを取り除くということが よくあります。

それらの神経を圧迫しているものは神経へ癒着(ひどくくっついている)していることが多いのでそれを剥がす必要があります。それらの操作 のときに神経にダメージを与えるという可能性があります。しかし、それで生じる症状としては一時的なしびれなどの症状のことがほとんどです。すくなくと も"脊椎の手術を受けたら多くの場合車椅子になってしまう"というようなことはないと言えます。

手術後に注意することはありますか?

手術後にこのような質問を受けることがよくあります。腰にものすごい負担がかかるような動きはしない方がよいということは誰にもわかると思います。

おそらくこの質問の趣旨は「何気ないあまり気付かない行動で手術の結果を悪くしてしまうようなことがありませんか?」という意味であると 思われます。そのような質問に対しては、特別な注意事項はありませんとお答えしています。当院では手術後にコルセットも装着していただきませんし、特別な 行動の制限もお願いしていません。

しかし、実際には患者さんは脊椎の手術を受けた後にそれほど積極的に動けるものではありません。やはり手術直後は動くのが恐い感じがする ようです。時間が経過するに従ってだんだん動けるようになっていきますので、それに沿ってだんだん動いていくというのがちょうどよいと考えています。脊椎 の手術をしたからということとは別に、筋力を維持したり、関節の柔軟性を保つことは大切なことですから、そのようなことを目的とした全身の運動をすること はお勧めしています。

手術後スポーツはいつからできますか?

手術の内容によって異なります。大まかな経過としては、術後3-4週でジョギング、6週間程度でランニングやゴルフの打ちっ放し、2~3ヶ月でゴル フのラウンドというところです。この経過というのは、われわれの方からそのようなスケジュールにしてくださいと言っているのではなく、患者さんに経過を聞 いてみるとだいたいそのような患者さんが多いというところです。

脊椎固定術をした患者さんについては激しいスポーツ(サッカー、バスケットなどの試合、スキーやスノーボードで転倒する可能性がある滑り 方)を半年間禁止しています。というのは、そのような衝撃に耐えられるほど骨が癒合するには6ヶ月程度は必要であると考えられるからです。

しかし、時間が経過しただけでスポーツができる身体になっていくわけではありません。手術前の症状のため、あるいは術後あまり身体を動か せなかったため、関節や筋が固くなったり、筋力が低下したりしているはずです。ストレッチや基礎的なトレーニングから開始して徐々にスポーツへ復帰するこ とをお勧めします。術後半年間ほとんど動いていなくていきなりスポーツを開始すればケガをしやすいと思われます。

手術をしても椎間板ヘルニアが再発することはありますか?

再発して再手術が必要となる可能性は5%程度です。術後早期に再発してしまう患者さんもいますし、何年もしてから再発することもあります。そのとき の状態で、またヘルニアだけ切除する除圧術でよい場合と、その部位で不安定性があって脊椎固定術をした方がよい場合があります。

椎間板ヘルニアの再発を予防するよい方法はありませんか?との質問もよく受けますが、確実に予防できる方法は残念ながらありません。

病気を持っていると手術は危険ではないですか?

ある程度高齢の患者さんでは高血圧や糖尿病を合併していることがよくあります。そういう病気を全く持っていない患者さんの方がより安全に手術治療を受けられるのは確かだと思いますが、そのような病気を持っているからといって手術が受けられないということはありません。

高血圧や糖尿病があるから手術ができないと手術をお断りすれば、われわれ医療従事者は危険を回避できることになりますが、痛みや歩行困難で苦しんでいる患者さんを何とかしてあげたいという気持ちがありますので、全身の状態に注意しながら手術治療を進めていきます。

心臓の機能が大変に悪く、生命的な危険があるというような患者さんの場合は残念ながら手術ができない場合もあります。

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