1. 脊椎センターTOP
  2. 脊椎疾患名について

脊椎疾患名について

診断が医師によって違う?

腰痛、下肢痛やしびれ、手のしびれ、頚部痛、肩こりなどの症状で医療機関を受診して症状が軽減せず他の医療機関を受診したという方も多いと思われます。そのような場合、医者によって診断が違うという経験が多いかと思われます。

なぜそのようなことが生じるのでしょうか?それは診断をしたり説明をするときに、症状から考えるか、画像検査(レントゲンやMRI)の結果から考えるかということで異なってきます。

症状からの診断名

症状から診断をつけると下記のような診断名が考えられますが、患者さんの訴える症状(主観的な症状)から判断した場合と客観的な症状から判断した場合とで異なります。

主観的な症状に基づいた診断

  1. 腰痛症(急性,慢性):腰痛があるが神経が障害されたような客観的症状はない。
  2. 坐骨神経痛:下肢の痛みがあるが,神経が障害されたような客観的症状はない。
  3. 手のしびれ:手のしびれの訴えがあるが,神経が障害されたような客観的症状はない。
  4. 頚部痛,項部痛:頚部や項部(肩こりの部分)の痛みがあるが神経が障害されたような客観的症状はない。

客観的な症状に基づいた診断

  1. 神経根症:椎間板ヘルニアなどにより神経根と呼ばれる神経が障害を受けて神経麻痺などの症状がある。
  2. 馬尾障害:脊柱管の中に入っている馬尾という神経の障害がある。
  3. 頚髄症:頚椎部分での脊髄の障害がある。
  4. 肩こり:項部痛があり、その部分の筋に硬直や圧痛がある。
  5. 頚肩腕障害:頚部〜肩〜腕へ響く痛みがあり、それを誘発するような客観的所見がある。

画像検査からの診断名

  1. 頚椎症:レントゲンなどで頚椎に加齢変化が見られる。
  2. 頚椎後縦靱帯骨化症(頚椎OPLL):頚椎の後縦靭帯という靭帯が骨化している。
  3. 頚椎椎間板ヘルニア:頚椎の椎間板が突出している(レントゲンでは確定できない、MRIで確認される)。
  4. 脊椎圧迫骨折:脊椎の椎体部分がつぶれている。
  5. 腰椎椎間板ヘルニア:腰椎の椎間板が突出している(レントゲンでは確定できない、MRIで確認される)。
  6. 腰部脊柱管狭窄症:腰椎部分の脊柱管が狭窄している。
  7. 腰椎すべり症:レントゲンなどで横から見たときに腰椎が前後にずれている。
  8. 腰椎分離症:腰椎の関節突起という部分に骨の亀裂がある。
  9. 脊椎、脊髄腫瘍:脊椎や脊髄に腫瘍がある。

たとえば椎間板ヘルニアの患者さんに対する診断名

たとえば、腰椎椎間板ヘルニアにより腰痛と足のしびれの症状がある患者さんに診断をつけるとすると、画像検査では腰椎椎間板ヘルニアとなり、神経障害に視点を置く腰部神経根症となり、殿部から足へ響く痛みに注目すると坐骨神経痛となり、腰痛に注目すると腰痛症ということになります。

同じ患者さんに対して視点を変えて診断名をつけているだけですので、どれを取っても間違いではありません。そのような複雑な状況を整理してひとつの概念で診断を統一できないものかと思われるかもしれませんが、ヘルニアがあっても腰痛がある人とない人がいる、腰痛があってもヘルニアがある人とない人がいる、坐骨神経痛と思われる症状の訴えがあっても神経障害がある人とない人がいるという状況では、ひとつの基準で診断をすることは不可能であると思われます。

しかし、その中で重要視するべき基準は患者さんが一番困っている症状や患者さん自身は気付いていないような神経障害の症状ではないかと思います。そう思って上記のような患者さんに「あなたの診断名は腰痛症と坐骨神経痛です。」と説明しても、患者さんはなかなか納得してくれず、「レントゲンやMRIをして椎間板ヘルニアがありますね。」と言った方が説得力があるかと思われます。そのようなことから、腰痛症の患者さんに対して椎間板ヘルニアという診断名がついていくのではないかと思われます。

診断名だけで病態を表現することができない

脊椎疾患に関してはどのような観点で診断名をつけるかということで表現が違ってきます。

すなわち診断名が変わるということです。

わたしも外来で“診断名は何ですか?”とよく患者さんから問われますが、脊椎疾患に関しては診断名そのものだけで病態を表現することは難しいので、診断名にこだわるのではなく、どういった状態なのかということを把握することが大切であると思います。

このようなことから別の医療機関を受診したときに異なった診断名を言われることもあると思います。それは前の医師が間違った診断をしたわけではなく表現が違うだけなのです。ひとつの診断名で患者さんの病態を表現することは困難なのです。


脊椎センター案内

病院案内

東京西徳洲会病院
東京都昭島市松原町3-1-1
TEL:042-500-4433
FAX:042-500-4434

東京西徳洲会病院

トップへ戻る