
透析患者に起こる場合は腎臓障害のために体内に蓄積するβ2-マイクログロブリン(以下β2-MG)が素(もと)になって作られるアミロイドと呼ばれる物質が原因です。透析患者におこるアミロイド症を「透析アミロイドーシス」とか「透析関連アミロイド症」と呼ばれています。
体内で作られたアミロイドは、関節周囲・消化管の壁・舌・皮膚等に沈着し、身体にとっては余計な異物となって存在してくるために、これを排除しようとして生体の防御細胞である「マクロファージ」と呼ばれる細胞が集まってきて局所的な炎症(異物とマクロファージの戦場)を起こします。(この炎症は細菌がいるわけではないので抗生物質は効かない)このマクロファージが様々な組織を破壊する「サイトカイン」という物質を周囲に放出するために、ときには痛みが起こります。
関節周囲の骨も放出されたサイトカインにより部分的に破壊を受けます。
現時点では、β2-MGの除去効率の良い透析膜(PS膜等)を使用したり、吸着装置(リクセル)を用いたりして血液中に蓄積したβ2-MGの濃度をある程度まで低下させることは可能となってきましたが、まだまだ健常者のレベルまでは下げることはできていません。そのなかで、オンラインHDFは原因物質であるβ2-MGを除去できる今のところ一番優れた透析方法であるといえます。
日本透析医学会の直近の「わが国の慢性透析療法の現況」によれば、透析患者の死亡原因の第1位は「心不全」、第2位は「感染症」、第3位は「脳血管障害(脳卒中<脳出血・脳梗塞>)」です。これらの透析患者の死因「三大疾患」は、順位の変動はあるものの近年不動のものとなっています。
「Malnutrition(栄養障害)」「Inflammation(慢性炎症状態)」及び「Atherosclerosis(動脈硬化)」それぞれの英語の頭文字をとって、これらを「MIA症候群」と言います。
そもそも透析患者は、現在の透析環境で透析を行っていること自体で「MIA症候群」であるとさえ言われています。
この「MIA症候群」から脱却することができるとして、より清浄化された透析液(エンドトキシン測定感度以下及び培養検査でも一般細菌陰性)を使用しないとこれを制御することはできないといわれている。
透析液が汚れているとエンドトキシンという物質が慢性炎症状態を体内に作り出しそれが原因で透析アミロイドーシスや動脈硬化を引き起こし、ひいては、心筋梗塞や脳梗塞になってしまうと言われている。