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循環器センター

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心臓のしくみ

心臓について

心臓はおよそ握りこぶし1個ぐらいの大きさの臓器で、休むことなく動き続けています。 一回心臓が収縮すると、送り出される血液量は70cc程で、1分間に70回収縮(脈拍が70)すると、 約5リットルの血液を送り出しています。1日に心臓が収縮する回数は10万回前後で、 この仕事を生きている限り休むことなく続けているのです。

冠動脈と虚血性心疾患

心臓が休むことなく働くために心臓の筋肉(心筋)に血液を供給する血管を冠動脈といいます。 冠動脈は大動脈より左と右の2本がでて、さらに左冠動脈は直ぐに前下行枝と回旋枝と呼ばれる枝に分かれます。 この3本からさらに枝分し、全体に血液を供給するようになっています。 この冠動脈の血液の流れが悪くなったり、全く流れなくなってしまったりした状態が、 狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患です。

血液の流れと弁

心臓を通る血液の流れ(循環)は、全身からの血液は心臓の右房に戻ってきます。 その後、右室→肺動脈→肺→肺静脈→左房→左室→大動脈→全身へと廻っていきます。 この流れは一方通行で元に戻ることはありません。 正しい流れを作るために心臓には4つの弁、三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁がついています。 これらの弁がタイミングよく開いたり閉じたりすることで、正しい血液の流れが作られますが、 何らかの原因で完全に開かなかったり、きちんと閉じなかったりするような状態になってしまうのが弁膜症です。

人工心肺法、(体外循環法)と信金保護について

このように、心臓は絶え間なく動いていて、その中には常に血液が流れています。 手術のために、そのままの状態で心臓を切り開いたとしたら、元栓を締めないで水道管を切断するようなもので、 血の海になってしまって何もできません。水道管ならば元栓を締めればよいだけですが、 体には血液を循環させておかなければ生命を維持していくことができません。 そこで手術の間だけ心臓の中を血液が通らなくして、心臓以外の体には血液を循環させる装置が考えられました。 それが人工心肺です。

これは文字通り、心臓の代わりに体に血液を送り出すポンプと、 肺の代わりに血液が酸素を十分に含んだ状態にする人工肺からできていて、 全身から心臓に戻ってくる血液を心臓に行かせずに(脱血)、この人工心肺に迂回させ、 心臓からの血液の通り道である大動脈にもどすこと(送血)で、心臓の中にほとんど血液がない状態にすることができ、 身体へは人工心肺によって血液の循環が保たれるようになります。

さて、これで問題の1つ、心臓の中が血液で充満している状態は回避できました。 しかし、心臓に血液を供給している冠動脈に血液が流れているので心臓は動いたまま(空回りしている状態)です。 だからといって冠動脈の血流を止めただけでは手術をしている間に心臓の筋肉が死んで(壊死)しまいます。 そこで心筋保護液という特別な液体を冠動脈に流してあげることで、心筋の活動が停止し、代謝を著しく低くし、 常時冠動脈に血流がなくても心筋が傷まないようにします。 これは、動物がえさを食べなくても、動かず眠り続けることで生命を維持する冬眠を心筋にさせているようなものです。 実際には冠動脈と人工心肺から送られてくる血液の管(送血チューブ)の間の大動脈を専用の器具で挟んで血流を遮断(大動脈遮断)した後に心筋保護液を注入します。 このようにして心臓をとめて、中に血液がない状態で手術がおこなわれます。

効果と合併症

人工心肺法により開心術が行われるようになり、それまで治療することができず、 心臓の力が弱ってしまい(心不全)日常の生活さえできなくなり、末期には呼吸することされできなくなり(呼吸不全) 命にかかわるようになっていた疾患が治療できるようになり、生活の質(クオリティ オブ ライフ)が確保され、 長生きできるようになりました。 安全性も向上した現在でも、人の身体の中とは違う状況で血液を循環させることの影響もあります。

  1. 血液が固まりにくい:人工心肺に血液を循環させるためには血管ではない人工の管(ホース)の中を血液が通ります。 また人工肺も細かい繊維の間でガス交換をします。何もしなければ管の中で血液が固まってしまいます。 そこでヘパリンという薬で血液を固まりにくくします。人工心肺から離脱すればヘパリンを中和しますが、 血液が固まりにくい状態(出血しやすい)が続きます。
  2. 心臓、血管の損傷:心臓や大血管に管を挿入したり、大動脈を挟んだり(大動脈遮断)したりすることで組織が壊れたり、 壊れた破片が血流で流されて脳などの臓器の血管に詰まってしまう(塞栓症)ことがあります。
  3. 冬眠からの回復:心臓を人為的に止めて(心筋保護法)治療を行った後、心臓の拍動を再開させるため、 寝起きに活動性が悪いのと同じで、心臓も力の弱い期間が存在します。
  4. 炎症と臓器障害:通常とは違った一定の血圧の流れが各臓器に影響したり、免疫成分が減少することや、 炎症性物質が放出されることで、臓器の障害が生じたり、肺炎などの感染が生じやすくなったりします。

 

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